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単関数の収束定理

どんな非負可測関数でも、その関数に収束するように単調増加な非負単関数列がとれる。

定理の主張

 X : 位相空間 f \colon X \to [0,\infty] が可測関数とする。このとき、 f に各点収束してくれる  X 上の単調増加な非負可測単関数列  s_n が存在する:


\begin{align}
&0 \leq s_1 \leq s_2 \leq ... \leq f \tag{a} \\ 
&s_n(x) \to f(x) \mbox{ as } n \to \infty \mbox{ for every } x \in X. \tag{b}
\end{align}

具体的に構成して証明

実数  t に対して、 \dfrac{k}{2^{n}} \leq t \lt \dfrac{k + 1}{2^{n}} を満たす  k が存在するので、 k = k_n(t) とする。


\begin{align}
\phi_n(t) = 
\begin{cases}
\dfrac{k_n(t)}{2^n} & \quad \text{if } 0 \leq t < n \\
n & \quad \text{if } n \leq t \leq \infty
\end{cases}
\end{align}

このとき任意の  \phi_n  [ 0, \infty] 上ボレル関数で、


\begin{gather}
t - \dfrac{1}{2^{n}} < \phi_n(t) \leq t \quad \text{if } 0 \leq t \leq n, \\
0 \leq \phi_1 \leq \phi_2 \leq ... \leq t, \\
\phi_n(t) \to t \text{ as } n \to \infty \text{ for every } t \in [0, \infty].
\end{gather}

ここで、 s_n = \phi_n \circ f とすれば、定理の主張を満たす。

収束する関数のグラフを確認

グラフを作った。n = 2, 3, 4 のとき。非負関数を考えているので絶対値をつける。

f:id:eternalletter:20210519122529p:plain
 y = \phi_2(|x|),  y = \phi_3(|x|),  y = \phi_4(|x|),  y = |x| のグラフ

f:id:eternalletter:20210519122737p:plain
 y = \phi_2(x^2),  y = \phi_3(x^2),  y = \phi_4(x^2),  y = x^2 のグラフ

f:id:eternalletter:20210519122945p:plain
 y = \phi_2(|\sin(x)|),  y = \phi_3(|\sin(x)|),  y = \phi_4(|\sin(x)|),  y =|\sin(x)| のグラフ

確かに  n を大きくしていくと、所望の関数に近づいていきそう。